離婚時の不動産の財産分与でかかる税金について解説!
離婚は人生における大きな転換期であり、多くの課題を伴います。
その中でも、財産分与は複雑な手続きと税金の問題を伴うため、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
特に、不動産を財産分与する場合、どのような税金がかかるのか、事前に把握しておくことは非常に重要です。
今回は、離婚時の不動産の財産分与にかかる税金について、具体例を交えながら解説します。
財産分与・税金・不動産に関する基礎知識
*不動産取得税の概要と財産分与における課税の有無
不動産取得税は、不動産の所有権を取得した際に課税される地方税です。
土地や建物を取得した場合、固定資産評価額の一定割合を税金として支払う必要があります。
しかし、財産分与における不動産の取得については、原則として課税されません。
これは、財産分与が夫婦間の財産清算であり、新たな取得とはみなされないためです。
ただし、慰謝料としての不動産の授受や、生活保護のための不動産の移転など、清算以外の目的で不動産が移転する場合には、不動産取得税が課税される可能性があります。
離婚協議書などに、税金の負担について明確に記載しておくことが重要です。
贈与税の概要と財産分与における課税の有無
贈与税は、無償で財産を贈与された際に課税される国税です。
しかし、離婚時の財産分与は、原則として贈与税の対象とはなりません。
これは、財産分与が夫婦間の権利義務の調整であり、無償の贈与とは異なる性質を持つためです。
ただし、財産分与の額が婚姻中の協力によって得た財産の価額を著しく上回る場合や、贈与税・相続税の回避を目的とした偽装離婚と認められる場合には、贈与税が課税される可能性があります。
そのため、財産分与の額や手続きについては、税理士などの専門家への相談が推奨されます。
譲渡所得税の概要と財産分与における課税の有無・計算方法と具体例
譲渡所得税は、不動産などの資産を譲渡した際に、譲渡益に対して課税される税金です。
財産分与においては、不動産を譲渡する側(多くは夫)に譲渡所得税が課税される可能性があります。
譲渡益は、財産分与時の時価から取得費(建物であれば減価償却後の価額)と譲渡費用を差し引いた金額で計算されます。
譲渡所得税と税率については以下の通りです。
1:譲渡所得税の計算式
譲渡所得=財産分与時の時価-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(居住用不動産の場合3,000万円)
2:税率
所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以内は短期譲渡所得となり、税率が異なります。
登録免許税の概要と財産分与における課税の有無
登録免許税は、不動産の所有権移転登記を行う際に法務局に支払う税金です。
財産分与によって不動産の名義変更を行う場合、不動産の固定資産評価額の2%が課税されます。
この税金は、原則として不動産を取得した側が負担しますが、離婚協議書で負担者を明確に定めることができます。
固定資産税の概要と財産分与後の納税義務
固定資産税は、不動産の所有者に毎年課税される地方税です。
財産分与によって不動産を取得した場合は、その翌年度から固定資産税の納税義務が生じます。
税額は固定資産評価額に基づいて計算されます。
財産分与における税金対策と専門家への相談
譲渡所得税の節税対策
譲渡所得税を軽減するためには、いくつかの対策が考えられます。
例えば、居住用不動産の場合、3,000万円の特別控除を適用することで税負担を軽減できます。
また、所有期間を長くすることで、税率が低い長期譲渡所得として扱われる可能性があります。
さらに、譲渡費用を可能な限り削減することも効果的です。
税金に関する相談窓口と専門家への相談の重要性
離婚時の財産分与は複雑な手続きと税金の問題を伴うため、税理士や弁護士などの専門家への相談が非常に重要です。
専門家は、個々の状況に最適な税金対策を提案し、トラブルを回避する上で大きな助けとなります。
国税庁のホームページや税務署なども、税金に関する情報を提供しています。
まとめ
離婚時の不動産の財産分与には、不動産取得税、贈与税、譲渡所得税、登録免許税、固定資産税など、複数の税金が関係します。
しかし、原則として、財産分与自体は贈与や売買とはみなされず、特別な事情がない限り、不動産を取得した側にこれらの税金が課税されることはありません。
ただし、譲渡所得税については、不動産を譲渡する側が課税対象となる可能性があり、注意が必要です。
また、各税金の課税要件や軽減措置、計算方法などは複雑なため、専門家である税理士や弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
事前に税金に関する知識を十分に得ておくことで、離婚手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
監修者情報

株式会社ハウシード
代表取締役 藪木 秀則