実家の相続、様々な手続きに戸惑っていませんか。
特に、名義変更（相続登記）は、複雑で、期限や罰則も絡んでくるため、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、実家相続における名義変更の手続きについて、分かりやすく解説します。
2024年4月からの義務化に関する情報も中心にご紹介します。
スムーズな手続きを進めるためのヒントもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

実家相続における名義変更の手続きを徹底解説

相続登記義務化とは何か

2024年4月1日より、相続した不動産の名義変更手続きである相続登記が義務化されました。
これは、過去に相続した不動産も対象となります。
3年以内に手続きを完了しないと、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
この義務化によって、相続登記の遅れによるトラブルや、権利関係の不明確さを解消することが期待されています。

相続登記に必要な書類

相続登記に必要な書類は、相続人の数や遺産分割の方法、遺言の有無などによって異なります。
一般的には、亡くなった方の戸籍謄本（除籍謄本、改製原戸籍を含む）、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、固定資産税評価証明書、遺産分割協議書（遺言がある場合は遺言書）などが挙げられます。
これらの書類は、市区町村役場や法務局などで取得できます。

相続登記の手続きステップ

相続登記の手続きは、大きく分けて「書類の準備」「申請書類の作成」「法務局への申請」「登記完了」の4つのステップで構成されます。
書類の準備では、上記で挙げた必要書類を全て揃える必要があります。
申請書類の作成は、専門知識が必要なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
法務局への申請は、作成した書類を法務局に提出します。
登記完了後、新しい登記済権利証が発行されます。

相続登記にかかる費用

相続登記にかかる費用は、司法書士への報酬、登録免許税、その他諸費用などがあります。
司法書士への報酬は、不動産の価格や手続きの複雑さによって異なり、相場は5万円～15万円程度です。
登録免許税は、不動産の評価額の0.4％です。

司法書士への依頼と費用相場

相続登記の手続きは複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
司法書士は、必要書類の収集、申請書類の作成、法務局への申請などを代行してくれます。
費用は、不動産の価格や手続きの複雑さによって異なりますが、相場は5万円～15万円程度です。

自分で手続きする場合の注意点

自分で手続きする場合、法令や手続きに精通している必要があります。
書類の不備があると、申請が却下される可能性があります。
また、手続きに時間がかかる場合もあります。
そのため、時間的な余裕がない場合や、手続きに不安がある場合は、司法書士に依頼することをおすすめします。

相続人申告登記制度の活用

遺産分割協議がまとまらない場合や、相続人の所在が不明な場合など、相続登記がすぐにできない場合があります。
そのような場合は、「相続人申告登記」制度を活用できます。
この制度は、相続人が自分の身分を申告することで、相続登記の義務を一時的に果たせる制度です。
ただし、これはあくまで一時的なもので、遺産分割がまとまった後、改めて相続登記を行う必要があります。

実家相続時の名義変更に関するよくある質問

相続登記の申請期限は？

相続登記の申請期限は、原則として相続開始を知った日から3年以内です。
ただし、遺産分割協議が成立している場合や、遺言がある場合は、その時点から3年以内となります。
2024年4月以前に相続した不動産については、2027年3月末まで猶予期間があります。

相続登記を怠るとどうなる？

相続登記を正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
「仕事が忙しい」「義務化を知らなかった」といった理由では認められません。

遺産分割協議がまとまらない場合は？

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。
調停が成立すれば、その内容に基づいて相続登記を行うことができます。
また、相続人申告登記制度を活用することもできます。

遺言がある場合の手続きは？

遺言がある場合は、遺言書の内容に基づいて相続登記を行います。
遺言書の内容に異議がある場合は、家庭裁判所に遺言の効力確認を申し立てることができます。

相続不動産の所在がわからない場合は？

相続不動産の所在がわからない場合は、市区町村役場などで固定資産税の納税通知書を確認したり、名寄帳を取得したりすることで、所在を確認できます。
また、2026年2月施行予定の「所有不動産記録証明制度」を活用することもできます。

名義変更後すぐに売却したい場合は？

名義変更後、すぐに売却したい場合は、不動産会社に相談して売却を進めることができます。

相続税対策はどのようにすればいい？

相続税対策は、専門家（税理士など）に相談するのが最善です。
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など、様々な節税対策があります。

まとめ

実家相続の名義変更（相続登記）は、2024年4月から義務化され、3年以内の申請が求められています。
手続きは複雑なため、司法書士への依頼が推奨されます。
費用は司法書士報酬、登録免許税などが必要となります。
遺産分割がスムーズに進まない場合や、相続不動産の所在が不明な場合は、適切な制度や専門家のサポートを活用することが重要です。
期限を守り、スムーズな手続きを進めるために、早めの準備と相談を心がけましょう。
相続登記を怠ると過料が科される可能性があることを忘れず、必要な手続きを期限内に完了させるよう努めましょう。
不明な点があれば、専門家への相談を検討することをお勧めします。