相続した土地の評価とは?路線価と倍率方式を解説
相続した土地の評価、どのようにすれば良いのか悩んでいませんか。
相続税の計算において、土地の評価額は大きな影響を与えます。
特に、路線価方式と倍率方式の使い分けや、土地の形状・立地条件などが評価額にどう影響するかを理解することは、相続税の負担軽減に繋がります。
今回は、相続税における土地評価の計算方法や、評価額に影響を与える様々な要因について、具体例を交えながら解説します。
節税対策として有効な小規模宅地等の特例についてもご紹介します。
相続における土地評価の基礎知識!路線価方式と倍率方式
路線価方式による土地評価計算ステップ
路線価方式は、国税庁が公表する路線価に基づいて土地を評価する方法です。
計算方法は以下のステップで行います。
ステップ1:対象土地が接する道路の路線価を確認します。
国税庁のホームページにある路線価図・評価倍率表から、住所を指定して路線価を調べます。
ステップ2:土地の面積(地積)を測量図や固定資産税納税通知書などから確認します。
ステップ3:土地の形状、立地条件、権利関係など、評価額に影響を与える要因を考慮し、それぞれの補正率を算出します。
ステップ4:路線価に地積と各種補正率を乗じて、土地の評価額を算出します。
計算式は「路線価 × 地積 × 各種補正率」となります。
倍率方式による土地評価計算ステップ
倍率方式は、路線価が設定されていない地域における土地評価方法です。
計算方法は以下の通りです。
ステップ1:固定資産税評価額を固定資産税納税通知書などから確認します。
ステップ2:国税庁のホームページにある路線価図・評価倍率表から、対象地域の評価倍率を確認します。
ステップ3:固定資産税評価額に評価倍率を乗じて、土地の評価額を算出します。
計算式は「固定資産税評価額 × 評価倍率」となります。
路線価方式と倍率方式の使い分け
路線価方式は市街地や住宅地、倍率方式は路線価が設定されていない地域に適用されます。
どちらの方式を用いるかは、対象土地の所在地によって決まります。
土地評価を左右する要因と減額対策
土地の形状が評価額に与える影響
土地の形状(間口の狭さ、奥行の長さ、不整形など)は評価額に影響を与えます。
間口が狭かったり、奥行が長かったり、不整形な土地は、利用価値が低いとみなされ、評価額が減額される場合があります。
土地の立地条件と評価額の関係
土地の立地条件(道路の幅員、接道状況、周辺環境など)も評価額に影響します。
前面道路が狭かったり、道路に接していなかったり、騒音や嫌悪施設が近隣にある土地は、評価額が減額される可能性があります。
土地に付着する権利と評価額への影響
土地に借地権、貸宅地、貸家建付地などの権利が付着している場合、その権利の内容によって評価額が影響を受けます。
借地権は土地全体の評価額から借地権の価額を控除し、貸宅地や貸家建付地は、土地の利用状況に応じて減額措置が適用される場合があります。
小規模宅地等の特例など節税対策のポイント
小規模宅地等の特例は、被相続人が居住用または事業用として使用していた一定面積の宅地を相続した場合、評価額を減額できる制度です。
適用条件を満たすことで、相続税の負担を軽減できます。
専門家への相談を検討するタイミング
土地評価は複雑なため、自身で正確な評価額を算出するのは困難です。
相続税申告期限が迫っている場合や、複雑な権利関係がある土地を相続した場合などは、専門家(税理士など)に相談することをお勧めします。
まとめ
相続税における土地評価は、路線価方式と倍率方式のいずれかを用いて行われます。
評価額は土地の面積だけでなく、形状、立地条件、権利関係、そして小規模宅地等の特例などの制度の適用によって大きく変動します。
正確な評価額を算出するには専門的な知識が必要となるため、不安な場合は税理士などの専門家への相談が有効です。
節税対策を検討する際には、これらの要因を考慮し、適切な手続きを進めることが重要です。
相続税申告期限に余裕を持って準備を進め、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、相続手続きを円滑に進めることができます。
監修者情報

株式会社ハウシード
代表取締役 藪木 秀則