空き家対策特別措置法改正をわかりやすく解説します!
皆様は、土地や建物の所有者ですか。
それとも、相続対策を検討しているでしょうか。
もしそうであれば、空き家対策特別措置法の改正について知っておく必要があります。
この改正によって、固定資産税が大幅に増額される可能性があるのです。
この記事では、空き家対策特別措置法改正のポイントをわかりやすく解説し、固定資産税の増額など、所有者に影響する変更点について具体的に説明します。
皆様の空き家が対象となるかどうか、そしてどのように対策を検討すべきなのか、この記事でぜひ把握してください。
□空き家対策特別措置法改正のポイントをわかりやすく!
空き家対策特別措置法は、放置された空き家による様々な問題を解決するために制定されました。
しかし、改正前の法律では、空き家の増加が止まらず、放置による危険性や景観への悪影響は深刻化していました。
そこで、より効果的な対策を講じるため、2023年4月1日に改正法が施行されました。
改正法の大きな目的は、空き家の適切な管理を促し、活用を促進することです。
具体的には、以下の3つの柱で対策が進められます。
1:空き家の活用促進
改正法では、空き家の活用を促進するための制度が強化されます。
例えば、建築基準法の規制が緩和され、空き家の建替えや改修が容易になるなど、空き家を活用しやすくなる環境が整えられます。
2:管理の徹底
放置された空き家は、倒壊や火災などの危険性だけでなく、周辺環境の悪化にもつながります。
そこで、改正法では、放置された空き家を「管理不全空家等」として指定し、所有者に対して適切な管理を求めることが可能になりました。
管理ができない場合は、専門機関への委託などを検討する必要が出てきます。
3:特定空家等の除却促進
特定空家等とは、放置すれば倒壊などの危険性や環境悪化につながる恐れのある空き家です。
改正法では、特定空家等の除却を促進するための制度が強化されます。
例えば、緊急時には、所有者の同意を得なくても、行政が代執行を行い、空き家を撤去することが可能になります。
□固定資産税が6倍になる可能性も?
改正法によって、最も注目すべき点は、固定資産税の増額です。
これまで、特定空家等に対しては、住宅用地特例が適用され、固定資産税が1/6に減額されていました。
しかし、改正法では、この住宅用地特例が「管理不全空家等」にも適用されなくなる可能性があります。
つまり、特定空家等だけでなく、放置された空き家全般に対して、固定資産税が大幅に増額される可能性があるということです。
1:対象となる空き家
具体的には、以下の条件に該当する空き家が、固定資産税の増額対象となる可能性があります。
・周辺環境に悪影響を及ぼすおそれがある空き家
・放置すれば倒壊や火災などの危険性がある空き家
・適切な管理が行われていない空き家
2:具体的な例
例えば、以下のような空き家は、固定資産税の増額対象となる可能性があります。
・長年放置され、老朽化が進んでいる空き家
・雑草が生い茂り、ゴミが散乱している空き家
・雨漏りや窓ガラスの破損など、修繕が必要な空き家
・所有者が不明な空き家
3:固定資産税の増額額
固定資産税の増額額は、空き家の規模や所在地、築年数などによって異なります。
しかし、住宅用地特例が解除されると、固定資産税が最大で6倍になる可能性もあるため、所有者は注意が必要です。
□まとめ
空き家対策特別措置法改正は、放置された空き家による問題を解決するために、より厳格な対策を講じることを目的としています。
改正によって、固定資産税の増額など、所有者に大きな影響がある可能性があります。
所有する空き家が対象となるかどうか、そしてどのように対策を検討すべきなのか、この記事で紹介した内容を参考に、早めに対策を検討することをおすすめします。
監修者情報
株式会社ハウシード
代表取締役 藪木 秀則